AIで文字起こしをしたのに、議事録の出来が微妙でやり直した経験はありませんか?実は文字起こしツールの精度ではなく、ChatGPTへの指示(プロンプト)の質が、議事録の完成度を大きく左右します。
本記事では、1時間の会議を10〜15分で議事録化するための実践的なプロンプト集を、用途別・業種別に整理して紹介します。コピーしてそのまま使えるテンプレート形式でまとめているので、読み終わったらすぐ試せます。
文字起こしツールの選び方については「AI議事録ツール比較ガイド」で解説しています。本記事はその「次のステップ」として、出力精度を上げる使い方に特化しています。
※本記事の情報は2026年5月時点のものです。各ツールの仕様は変更される場合があります。
目次
AI議事録の全体フロー:録音→文字起こし→整形の3ステップ
プロンプトの話に入る前に、全体の流れを整理しておきます。AI議事録作成は「録音・収集」「文字起こし」「ChatGPTで整形」の3段階に分かれており、プロンプトが効くのは主に3段階目です。
| ステップ | 作業内容 | 所要時間の目安 | 使うツール |
|---|---|---|---|
| 1. 録音・収集 | 会議音声を録音または録画する | 会議中(自動) | スマホ・Zoom・Google Meet |
| 2. 文字起こし | 音声をテキストに変換する | 2〜5分(ツールが自動処理) | Notta・Google Meet・Whisper |
| 3. 整形・要約 | テキストを議事録形式に変換する | 5〜10分(プロンプト入力+確認) | ChatGPT・Claude |
なお、2025年6月からChatGPT(macOSデスクトップアプリ、Plus/Team/Pro等)に「Record Mode」が搭載され、会議音声をChatGPTに直接録音→議事録化できるようになりました。ステップ1〜3を一気通貫で処理したい場合の有力な選択肢です。
プロンプトの精度を上げる3つの基本コツ
具体的なテンプレートに入る前に、どんな会議にも共通して使えるプロンプト改善の3原則を押さえておきましょう。
コツ1:出力形式を具体的に指定する
「議事録を作って」だけでは、AIが自由に形式を選ぶためバラつきが出ます。項目名・箇条書きかどうか・文体(です・ます調など)を明示すると、そのまま使えるテキストが返ってきます。
以下の会議内容を議事録にまとめてください。
【改善後】
以下の会議内容を、①日時・参加者、②議題ごとの議論要点、③決定事項(箇条書き)、④アクションアイテム(担当者・期限付き)の4項目で、です・ます調の議事録にまとめてください。
コツ2:固有名詞・専門用語を事前に補足する
AIは社内のプロジェクト名・製品略語・人名を知りません。文字起こし段階で誤変換された固有名詞がそのまま議事録に残るのを防ぐため、プロンプトの冒頭に用語集を添えるのが効果的です。
・「PJα」= 新基幹システム導入プロジェクト
・「田中さん」= プロジェクトマネージャー
・「ベンダー」= 株式会社〇〇
以上を踏まえて、以下の文字起こしを議事録にまとめてください。
コツ3:長い会議は分割して入力する
1時間超の会議は文字起こしテキストが1万字を超えることがあります。一度に全部渡すと要約が粗くなるため、30分単位に分割して処理し、最後に統合する方法が有効です。
- 前半(0〜30分)の文字起こしを「この部分の要点を決定事項とアクション中心で箇条書きにしてください」と渡す
- 後半(30〜60分)も同様に処理する
- 前後半の要点まとめを貼り付けて「以下2つの要点から最終的な議事録を作成してください」と指示する
【コピペOK】用途別プロンプトテンプレート集
ここからが本記事のメインコンテンツです。会議の種類ごとに使い分けられるテンプレートを7パターン用意しました。【文字起こし】の部分に実際のテキストを貼り付けるだけで使えます。
テンプレート①:汎用(迷ったらこれ)
会議の種類を問わず使える標準テンプレートです。初めてAI議事録を試す方はまずここから始めましょう。
【形式】
・日時・参加者
・議題と議論の要点(議題ごとに箇条書き)
・決定事項(箇条書き、担当者がいれば記載)
・次回アクションアイテム(担当者・期限つき)
・文体はです・ます調
【文字起こし】
(ここに貼り付け)
テンプレート②:営業会議・商談報告
クライアントとの商談や社内の営業定例に使えるテンプレートです。次のアクションと案件の温度感が明確になります。
【形式】
・会議概要(日時・参加者・目的)
・顧客の課題・ニーズ(聞き出した内容)
・自社からの提案内容
・顧客の反応・懸念点
・合意事項・決定事項
・次のアクション(担当者・期限・優先度:高/中/低)
・文体はです・ます調、決定事項と次のアクションは必ず箇条書きで
【文字起こし】
(ここに貼り付け)
テンプレート③:プロジェクト定例会議
週次・隔週の定例に使えるテンプレートです。進捗・課題・意思決定を毎回同じフォーマットで残すと、後から振り返りやすくなります。
【形式】
・日時・参加者・ファシリテーター
・各議題の進捗報告(〇/△/× 評価付き)
・課題・リスク(優先度順に箇ration書き)
・今回の決定事項
・次回までのアクションアイテム(担当者・期日)
・次回会議の予定日時・アジェンダ(もし言及あれば)
・文体はです・ます調
【文字起こし】
(ここに貼り付け)
テンプレート④:ブレインストーミング・アイデア会議
発散型の会議は「誰が何を言ったか」より「どんなアイデアが出たか」を整理するのが重要です。
【形式】
・会議概要(テーマ・参加者・日時)
・出たアイデア一覧(似たもの同士をグルーピングして整理)
・評価が高かった/盛り上がったアイデア(理由付き)
・次回検討に持ち越したアイデア
・今回の決定事項・次のアクション
・発言者の特定は不要、アイデアの内容に集中してください
【文字起こし】
(ここに貼り付け)
テンプレート⑤:1on1ミーティング
上司・部下間の1on1の記録に使えます。業務進捗だけでなく、メンバーの状態や懸念を記録しておくと後の面談に活かせます。
【形式】
・日時・参加者(上司/部下の関係も記載)
・業務進捗の確認(課題・懸念があれば明記)
・メンバーの状態・気になっている点
・上司からのフィードバック・アドバイス
・合意した改善事項・サポート内容
・次回1on1までのアクション
・個人情報に配慮し、固有名詞は「Aさん」などに置き換えて出力してください
【文字起こし】
(ここに貼り付け)
テンプレート⑥:社外向け共有用(丁寧な文体)
クライアントや取引先と共有する議事録には、より丁寧な文体が必要です。
【条件】
・敬語・丁寧語を使用した格調ある文体で
・弊社側の内部事情(社内コスト・未確定の意思決定等)は記載しない
・顧客の会社名は「貴社」、自社は「弊社」と表記
・形式:日時・参加者 / 議題と合意内容 / 確認事項・宿題(担当者・期日付き)
【文字起こし】
(ここに貼り付け)
テンプレート⑦:英語会議の日本語議事録
英語の会議を日本語の議事録にまとめるニーズは増えています。Otter.aiなどで英語文字起こしをした後にこのプロンプトを使うと、翻訳と要約を同時に処理できます。
【形式】
・日時・参加者(名前はアルファベットのまま可)
・議題ごとの議論要点(日本語で)
・決定事項(日本語で箇条書き)
・アクションアイテム(担当者・期限・日本語で)
・専門用語・略語は括弧書きで英語原文を残してください
【文字起こし】
(ここに貼り付け)
セキュリティと情報管理で必ず確認すること
プロンプトを使いこなす前に、情報の取り扱いルールも整理しておきましょう。
ChatGPTの学習利用設定をオフにする
ChatGPTの個人アカウントでは、デフォルトで入力内容がモデルの学習に使われる設定になっています。業務情報を扱う場合は、設定 → データコントロール → 「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにしてから使いましょう。
なお、ChatGPT TeamやEnterpriseプランでは、入力データが学習に使われない設定がデフォルトになっています。組織での利用には、これらのプランへの移行を検討する価値があります。
機密情報は入力前に匿名化する
クライアント名・個人情報・社外秘の数値などは、入力前に以下のように置き換えましょう。
- 個人名 → 「Aさん」「田中PM」など
- 取引先名 → 「X社」「Y株式会社」など
- 具体的な金額 → 「〇〇円」「予算の範囲内」など
社内のAIツール利用ポリシーが不明な場合は、情報システム部門または上長に確認してから本格運用を始めることを強くおすすめします。
まとめ:プロンプトの質が議事録の質を決める
本記事のポイントを3つに整理します。
1. 出力形式・文体・項目名をプロンプトに明記する
「議事録にして」ではなく、欲しい形式を具体的に指示するだけで完成度が大きく変わります。
2. 固有名詞・専門用語はプロンプトの冒頭で補足する
社内用語や人名の誤認識を防ぐ最も効果的な方法です。一度テンプレート化してしまえば毎回使い回せます。
3. 会議の種類ごとにテンプレートを使い分ける
汎用テンプレートを1つ持ちつつ、営業会議・定例・1on1など目的別に使い分けることで、後処理の修正時間を最小化できます。
まずは本記事の「テンプレート①(汎用)」を使って、直近の会議メモを1件試してみましょう。どのツールを選ぶかで迷っている方は「AI議事録ツール比較ガイド」をあわせてご覧ください。
請求書など他の定型ドキュメントもAIで効率化したい場合は「AIで請求書を自動作成する5ステップ」も参考にしてください。
※本記事の情報は2026年5月時点のものです。各ツールの仕様・料金は変更される場合があります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

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