ClaudeにはHaiku・Sonnet・Opus・Fable(Mythosクラス)という4つのモデルティアがあり、性能・速度・コストのトレードオフで使い分けます。2026年6月9日にリリースされたFable 5はOpusを超える最上位ティアで、大規模コード移行や超長期エージェントタスクに特化した設計です。一方、日常業務の8〜9割はSonnet 4.6で十分対応できます。API利用者にはバージョン指定の方法と廃止予定モデルの確認も含めて整理します。
(筆者注:私自身がIT実務とこのブログの運営でClaudeを日常的に使っており、モデルの使い分けを実際に検討してきた経験をもとに執筆しています。)
目次
Claudeのモデル体系:4層構造で理解する
Anthropicが提供するClaudeは2026年6月時点で4つのモデルティアに分かれています。Haiku(ハイク)=俳句・Sonnet(ソネット)=14行詩・Opus(オーパス)=大作・Fable(フェイブル)=物語という文学的な名称で、下から上へ性能・コストが上がる構造です。
| モデル名 | 現行バージョン | 一言で言うと | APIモデルID |
|---|---|---|---|
| Claude Fable | Fable 5(2026年6月9日リリース) | Mythosクラス・最上位モデル | claude-fable-5 |
| Claude Opus | Opus 4.8(2026年5月28日リリース) | 自律エージェントの信頼できる標準 | claude-opus-4-8 |
| Claude Sonnet | Sonnet 4.6 | バランス型・実用の主役 | claude-sonnet-4-6 |
| Claude Haiku | Haiku 4.5 | 超高速・低コスト | claude-haiku-4-5-20251001 |
※本記事の情報は2026年6月時点のものです。最新情報はAnthropicの公式サイトでご確認ください。
各モデルの特徴
Claude Fable 5:「Mythosクラス・最上位モデル」
Fable 5は2026年6月9日にリリースされた、Anthropicが初めて一般公開したMythosクラスのモデルです。これまでのOpusティアを超える新しい最上位層に位置づけられています。
SWE-Bench Proで80.3%を記録し、次点(GPT-5.5の58.6%)から約22ポイント差をつけています。Anthropic自身が「タスクが長くなるほど、複雑になるほど、他のモデルとの差が広がる」と説明しており、大規模コードベースの移行・マルチデイのエージェントセッション・深い研究など長時間・高複雑度のタスクが主な用途です。
重要な設計上の特徴として、高リスク領域(サイバーセキュリティ・生物・化学・蒸留)へのリクエストは安全分類器によって自動的にOpus 4.8にルーティングされます。これがFable 5を一般公開できる理由です。同じ基盤モデルで安全分類器を外したものがMythos 5(Project Glasswing参加組織のみアクセス可)です。
API料金は$10/$50(per 1Mトークン)でOpus 4.8の2倍です。サブスクリプション(Pro・Max・Team・Enterprise)での無料利用期間は2026年6月9〜22日までで、6月23日以降は使用クレジットが必要になります。
Claude Opus 4.8:「自律エージェントの信頼できる標準」
Opus 4.8は2026年5月28日リリースの高性能モデルです。前作Opus 4.7から主に3点が進化しました。
① 正直さ(Honesty)の強化:コードの欠陥を自分で見つけて指摘せずに済ませる「サイレントバグ問題」がOpus 4.7比で約4分の1に減少。不確実な内容に対しては自ら申告するロジックが強化されています。
② Adaptive Thinking+Effort Control:タスクの複雑さに応じてモデルが自動的に思考量を調整します。ユーザーはEffort Controlで思考の深さをlow / high(デフォルト)/ xhigh / maxの4段階で指定できます。Opus 4.7以降はExtended thinking(思考予算の手動指定)は廃止されAdaptive Thinkingに置き換わっています。
③ Dynamic Workflows(Claude Code・研究プレビュー):1つのセッション内で数百の並列サブエージェントを走らせる機能(Max・Team・Enterprise向け)。大規模リファクタリングの自動化が可能です。
Fast mode(最大2.5倍速)の価格は$10/$50 per 1Mトークンで、Opus 4.7($30/$150)から大幅値下げされました。通常版は$5/$25で据え置きです。
Claude Sonnet 4.6:「実用の主役」
Sonnetは最も多くの場面で使われているモデルです。claude.aiの無料・有料プランで中心的に使えるのもSonnetです。
Opus 4.8とのSWE-benchスコア差は約8ポイント(79.6% vs 87.6%)ですが価格差は40%です。コーディング補助・文章作成・データ分析など日常業務の大半をカバーします。Extended thinking(手動の思考予算指定)に対応しており、複雑な問題への高品質な回答を引き出すことができます。「迷ったらSonnet」が最も合理的な判断です。
Claude Haiku 4.5:「スピードと低コストの番人」
Haikuは最も高速・低コストのモデルで、出力速度は97トークン/秒です。大量の定型処理(問い合わせ分類・ログフィルタリング・簡易Q&A応答)に向いており、API経由で多数のリクエストを処理するシステム開発では欠かせません。Extended thinkingには非対応です。
4モデルを数値で比較する
| 比較項目 | Fable 5 | Opus 4.8 | Sonnet 4.6 | Haiku 4.5 |
|---|---|---|---|---|
| SWE-bench Verified | 非公開 | 87.6% | 79.6% | 非公開 |
| SWE-Bench Pro | 80.3% | 69.2% | 非公開 | 非公開 |
| OSWorld-Verified | 非公開 | 83.4% | 非公開 | 非公開 |
| API料金(入力/出力 per 1Mトークン) | $10 / $50 | $5 / $25 | $3 / $15 | $1 / $5 |
| 出力速度 | 普通 | 普通(Fast mode対応) | 速い | 最速(97トークン/秒) |
| コンテキストウィンドウ | 1M | 1M(デフォルト) | 1M(beta) | 200K |
| 思考制御 | Adaptive Thinking+Effort Control | Adaptive Thinking+Effort Control | Extended thinking(手動) | 非対応 |
| 安全分類器 | 高リスク領域はOpus 4.8へルーティング | 標準 | 標準 | 標準 |
| 向いている用途 | 大規模コード移行・超長期エージェント・深い研究 | 長期自律タスク・大規模コーディング・精密な推論 | 日常業務全般・コーディング・文章作成 | 高頻度の定型処理・テキスト分類 |
※料金・スペックは2026年6月時点の情報です。最新情報はAnthropicの公式サイトでご確認ください。
用途別:どのモデルを選ぶべきか
claude.aiユーザー(API非利用)の場合
日常的な文章作成・アイデア出し・簡単な調査はSonnet 4.6で十分です。複雑に絡み合った大規模コードのデバッグや複数資料をまたぐ精密な分析を行う場合は、Opus 4.8を選択しEffort Controlをxhighまたはmaxにするのが効果的です。Fable 5は6月22日までの無料利用期間中に試してみると、Opus 4.8との違いを体感できます。
API・開発者利用の場合
- コスト最優先の大量処理(問い合わせ分類・ログフィルタリング・簡易要約)→ Haiku 4.5
- 品質とコストのバランスが必要な汎用処理(コーディング補助・記事の下書き・データ分析)→ Sonnet 4.6
- 品質と信頼性が最優先の自律タスク(エラーの自動修正エージェント・マルチステップの推論)→ Opus 4.8
- 大規模コード移行・超長期エージェント・完走率を最優先するタスク→ Fable 5(ただしAPI料金はOpus 4.8の2倍)
定石としては「まずSonnet 4.6でプロトタイプを作り、自律性・判断の正確さに限界を感じたらOpus 4.8に切り替え、それでも長時間タスクの完走率が問題になるようならFable 5を検討する」という段階的アプローチが費用対効果上合理的です。
このブログ(AI Work Lab)での使い方
当サイトの自動投稿システムでも、日常的な記事生成はSonnet系でコストを抑えつつ、複雑なワークフローの自律自動化にはOpus 4.8をスポットで走らせるハイブリッド運用を導入しています。トークン消費を下げる工夫についてはClaudeの有料プランのトークン消費を抑える賢い使い方も参考にしてください。
APIモデル名の読み方と廃止予定の注意点
例:claude-opus-4-8
- claude:モデルファミリー名
- opus:モデルティア(haiku / sonnet / opus / fable)
- 4:メジャーバージョン(世代)
- 8:マイナーバージョン(世代内の改訂番号)
本番環境ではバージョンを明示したモデル名を指定することが推奨されます。バージョンを省略したエイリアスを使うと、Anthropicがデフォルトを更新したときに意図せず別モデルに切り替わり挙動・コストが変わる可能性があります。
重要:claude-sonnet-4-20250514・claude-opus-4-20250514は2026年6月15日に廃止予定です。これらを指定している場合は早めに claude-sonnet-4-6・claude-opus-4-8への移行を推奨します。
モデル選択が難しいケースと注意点
- Fable 5の無料期間(〜6月22日)に試したが6月23日以降も使い続けたい場合:6月23日以降は使用クレジットが必要です。Anthropicは容量が許せば標準機能に戻す意向を示していますが時期は未定です。API経由では初日から$10/$50で課金されます
- Opus 4.8のFast modeとFable 5の価格が同じ($10/$50)場合の選び方:Fast modeはOpus 4.8の出力速度を最大2.5倍に高速化するオプションで、タスクの性質が異なります。スピード重視ならOpus 4.8 Fast mode、長時間・大規模タスクの完走率重視ならFable 5という判断になります
- 高リスク領域(セキュリティ調査・生物・化学)の業務にFable 5を使いたい場合:これらの用途はFable 5の安全分類器によってOpus 4.8にルーティングされます。高度なセキュリティ研究用途にはProject Glasswing経由でのMythos 5アクセスが必要です
- 古いモデル名(-20250514)を指定したコードが本番環境にある場合:2026年6月15日廃止後はAPIリクエストがエラーになります。早急に移行してください
よくある質問
Q1. 無料プランで使えるモデルはどれですか?
claude.aiの無料プランはSonnet 4.6が中心で、利用回数に制限があります。Opus 4.8へのアクセスはProプラン以上、Fable 5は6月22日まで有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)に含まれ、6月23日以降は使用クレジットが必要です。最新のプランごとの割り当てはAnthropic公式サイトをご確認ください。
Q2. Fable 5とOpus 4.8はどう使い分けますか?
一言で言うと「タスクの長さと規模」が判断基準です。短時間・単一ファイルのコーディング・通常の推論タスクはOpus 4.8で十分です。数時間〜数日にわたる大規模コードの移行・50万行超のコードベース・完走率が重要な長期エージェントタスクではFable 5の優位性が発揮されます。Anthropicは「タスクが長く複雑になるほどFable 5の差が広がる」と説明しています。価格差(2倍)を考慮した上でタスクの性質に応じて判断してください。
Q3. Opus 4.8はExtended thinkingに対応していますか?
対応していません。Opus 4.7以降はExtended thinking(budget_tokensによる手動指定)が廃止され、Adaptive Thinkingに置き換わっています。ユーザーはEffort Control(low/high/xhigh/max)で思考の深さを指定します。Extended thinkingが必要な場合はSonnet 4.6を使用してください。
Q4. Fable 5とMythos 5の違いは何ですか?
同じ基盤モデルです。Fable 5は高リスク領域(サイバーセキュリティ・生物・化学・蒸留)への安全分類器が有効な一般公開版です。Mythos 5はその安全分類器を特定領域で解除したProject Glasswing専用版で、一般には公開されていません。一般ユーザーが利用できるのはFable 5のみです。
Q5. 古いモデル名(-20250514)を使い続けると何が起きますか?
claude-sonnet-4-20250514とclaude-opus-4-20250514は2026年6月15日廃止予定です。廃止後はAPIリクエストがエラーになります。claude-sonnet-4-6・claude-opus-4-8など現行のバージョン付きモデル名に早急に移行してください。バージョンを省略したエイリアスの使用も、デフォルト更新時に意図せず別モデルに切り替わるリスクがあるため本番環境では推奨されません。
まとめ
- Claudeは4ティア構造(Haiku・Sonnet・Opus・Fable)で速さ・コスト・性能のトレードオフで使い分ける。2026年6月にFable 5が追加されMythosクラスが一般公開された
- 日常用途の8〜9割はSonnet 4.6で十分。コストパフォーマンスに最も優れている
- Opus 4.8は自律タスクの信頼できる標準。Adaptive Thinking・Dynamic Workflows・Effort Controlにより長期エージェントタスクの信頼性が高い
- Fable 5はOpus 4.8の2倍のコストだが「タスクが長く複雑になるほど差が広がる」最上位モデル。大規模コード移行・超長期エージェントに向いている。6月23日以降はサブスク利用に使用クレジットが必要
- API開発ではバージョン付きモデル名を明示指定する。古いエイリアス(-20250514)は2026年6月15日廃止予定
次のステップ
- claude.aiを使っている方は、Fable 5の無料期間(〜6月22日)中にOpus 4.8と同じタスクを両方で試して違いを体感しておく
- API開発をしている方は、古いモデル名(-20250514)の使用箇所を確認し、6月15日廃止前にclaude-sonnet-4-6またはclaude-opus-4-8に移行する
- 長期エージェントタスクを開発中の場合、Sonnet 4.6→Opus 4.8→Fable 5の順に段階的にテストして費用対効果を検証する
※本記事の情報は執筆時点のものです。サービス料金・制度の内容は変更される場合があります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。収益・投資の効果は個人の状況によって異なります。本記事の内容は特定の商品・サービスへの加入を推奨するものではありません。


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